女性のための本格焼酎・泡盛イベント

10月20日(月)『anan本格焼酎・泡盛倶楽部NIGHT 2014』(銀座クルーズ・クルーズ)のMCを担当しました。
anan読者50組100名をご招待して行われたこのイベントは、日本酒造組合中央会さんのプロモーションの一環として、anan誌上にて、3号(各号2ページ、隔週掲載)にわたって紹介した、焼酎を知って使って女子力アップというテーマの記事のリアルイベント。こちらでメインナビゲーターとして登場いただいた、はるな愛ちゃんが当日も登場。

読者人気も高く、愛ちゃんの登場で会場の熱気も一気にアップ。焼酎は普段あまり飲まないという方から、もともとお好きな方まで、楽しんでいただけたようです(こちらの詳しい模様は、ananさんにレポート記事として紹介されるようです)。
僕はMCとともに、会の途中で「では、本格焼酎・泡盛ってなに?」というお酒の基礎知識的なところを、短時間でしたがプレゼンさせていただきました。
お酒のある幸せな場所、テーブル、空間のナビゲーターとして、今後も、様々なお酒を、様々な人に紹介していきたいと思います。


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プレゼン内容pdf
焼酎には3つの分類がある。その中で本格焼酎・泡盛は、日本のテロワールの「スピリッツ」を感じられるお酒である、ということだけ覚えて帰ってくださいね、という内容です。
anan焼酎イベントデータ_02.pdf
PDFファイル 823.3 KB

※はるな愛ちゃんとともに、会場の女性たちから「素敵~」と声がかかったanan編集長の北脇さんからも、女子力アップのヒントが


そしてこの日のアフターで…
このイベントには、芋・米・麦・黒糖・泡盛とその他の素材ゾーンにわかれて60以上の焼酎がずらり。なんともぜいたくな試飲が可能。その中で、鹿児島より駆けつけてくれた大口酒造さんと、会が終わった後にしばしの焼酎談義。大口酒造産の焼酎と言えば『黒伊佐錦』。この焼酎を水割、ロック、お湯割りで堪能。
その後おつかれさまの夕食ということで、僕の本格焼酎の指南役でもある、六本木にある『九州鳥酒・とりぞの』へ。実はこの日の『では、本格焼酎・泡盛ってなに?』のプレゼンシートにも、「つまり本格焼酎・泡盛を美味しく飲む場面っていうのはこういう美味しい料理がある店」ということででかでかと紹介させていただいたのが店主・奥園さん。そこで「素敵な夜の終わり、リラックスしてうまい水炊きを食べながら飲みたい芋」とリクエスト。すると出てきたのは、なんと『黒伊佐錦』!店主曰く、全くの偶然。こういう幸せな連鎖も、いいお酒がうむ世界。という実感。

九州鳥酒 とりぞの 六本木
http://r.gnavi.co.jp/6640rssr0000/


Japanese Wine up-date #2-1

「日本ワイン」というカテゴリーが2005年あたりを境に僕の中で、その概念というか現状をアップデートし続けなければいけないものになった。お土産葡萄酒レベル、という認識を変えなければいけない、真摯で素晴らしい革新、着実な歩み…それらを目の当たりにして、斜に構えて「日本ワインなんてね」とは言っていられなくなった。そのあたりの経緯と敬意についてはまた改めて書くことにするが

例えば熊本ワインという静かで幸せな衝撃

一方で、日本ワインが新しいボルドー、ブルゴーニュになって欲しくないという、ある意味の危機感がある。
どういうことかと言えば、日本ワインが少しずつマニアアイテム、人とは違うことを語れる自分、これぐらいのことを知らないでワインを語って欲しくないなあ、という、いわゆる、僕が嫌悪している排他的ワイン文化の格好のアイテムになりはじめているんじゃないか、という危機感だ。日本のワインを日本人が、日本に住む人たちが気軽に楽しみ、大らかに語り、もっと親しみ、その中で素晴らしいクオリティを評価する。そのあたりまえの(僕はそう思っている)幸せが、少しずつ離れていくような悪寒。

それを幸せに引き込むために必要なのは、ワインそのものへの理解以上に、ワインを楽しむ場、なんだろうと思う。気軽に飲める場であったり、ちょっと心地よき緊張感の中で味わったり。一人の自分に返る時間、大切な人や家族と過ごす幸せな時間にあったり。日本ワインをこうした中で楽しむことで、日本ワインが僕たちにとって幸せな存在であり、その裏には素晴らしいクオリティ、ワインメイカーたちの努力があるということが身を持って理解…いや、感じることができるんじゃないかと思う。

その場所として、「リゾート」というキーワードが浮かび上がる。大切な人と開放感の中で、でも上質な空気の中で素晴らしいもの、こと、と、出会う。
その出会い、「星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳」での、日本ワインのプレゼンテーションで、実感した。
都心から電車で2時間。高速を使えば心地よいドライブの距離。日常から切り離され過ぎない、都会の匂いを少し残しながらの非日常。隔絶された場所で飲むワインではなく、日常に少し五感を残しながら楽しむ方が、ワインをもっと身近な存在に感じられる。

ディナーは、メインダイニング「OTTO SETTE」。「Vino e Cucina」という、日本ワインと料理のコラボレーションメニュー。前菜からデザートまでの10皿にそれぞれ違う日本ワイン10種類がグラスで提供される、いわゆるテイスティングメニューを楽しんでみた。

甲州市、北杜市、甲斐市…八ヶ岳のリゾートらしく、この日のワインはすべて山梨県産。ドライで爽やかなロゼでスタートし、山の旨みがたっぷりと、でもかわいらしく詰まった野菜のミネストローネで胃袋が笑顔になると、ここから

中央葡萄酒のセレナ・ロゼへ。テーブルを優しい表情にするロゼ。豚肉のリエットとゴルゴンゾーラのムースには、甲斐市・敷島酒造の飾らない純朴なソーヴィニヨン・ブランでカントリーサイドなほっこりする取り合わせ。小松菜とキャビアを使った冷製カッペリーニには、原茂ワインの樽熟甲州で、爽快に地の力と深みを…と、この後も日本ワインと洗練されながらどこかほっこりするイタリアンとの饗宴が続く。ゴージャスでもエレガントでもなく、慎ましやかな幸せ。これも日本ワインの現在のアドレス的魅力。これにお皿も、心地いい。ドレスアップよりも着なれたジャケットや少しだけ開放的なワンピースで。メインの牛肉のロースト 赤ワインのソースに、このリゾートからほど近い、ドメーヌ・ミエ・イケノ ピノ・ノワール2011。日本ワインの究極ともいえる品の良さと、とても愛らしい儚さと最後の最後に感じられる芯の強さと。爽やかで心地よい時間の最後に、牛肉のローストと共に送られたメッセージは、日本ワインとガストロノミーの関係の頼もしい可能性。最後は、ここ北杜市で作られる白州のハイボールを、軽やかなグラッパ代わりにして…。

他にも、プールやワインの葉を使ったスパなどからあがった午後のリラックスしたひとときを、山梨と長野のワインと過ごせる「YATSUGATAKE Wine House」で。日本ワインの素晴らしいプレゼンテーションの場。少量ずつたくさんの日本ワインを楽しめるプリペイドカード式のサーバーがあり、比較というよりは、好奇心の赴くままに多彩な個性を楽しむことができる。

日本ワインはこうあるべき、とか、どこかと比較して論評して…とか、そういう余計なことは考えなくていい。適度にリラックスして、適度に日常も思い出して。現実的には都心から1泊2日という休日ほど、むしろ、その場所にも仕事は追いかけてくるだろうし、部屋でノートPCを広げて仕事の進捗を確認してしまう時間もあるだろう。でも、それでいいんじゃないか。無理にリゾートライフを楽しもう!と思わなくていいし、無理に日本ワインを好きになる必要もない。ただ、いつもより少しだけ心のネクタイを緩め、思考のボタンを2つぐらい外す。そんな場所でこそ(それが都市に近いリゾートのあり方だと思う)、日本ワインの豊かさ、素敵さを素直に感じられるんじゃないだろうか。

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星野リゾート リゾナーレ 八ヶ岳
公式サイト:http://www.risonare.com/index.html
※本文で紹介したメニューやワインは時期ごとに変更になります。