キュヴェ・ルイーズ02スニークプレビュー

ポメリー社最高醸造責任者のNO.2、クレマン・ピエロ―さんによるキュヴェ・ルイーズ02のスニーク・プレビュー。02の発売は来年春予定ということで、実にうれしい機会をいただいた。


99年以来のヴィンテージとなる02は10年の熟成期間を経てのリリース。7年目のテイスティングで醸造側は「まだ早い」、会社側は「早く出したい」というせめぎ合いがあり、あと3年、の決断を下したというエピソードに名門の意地を見る。
クラマンさん曰く、02は、99に比べて、「これぞポメリーの体現」と表現。


私的テイスティングノートは、「それでもまだ早い」。ただしそれは肯定的な意味で。
いきなりアタックからコンプレックス。カスタードクリームを感じる濃厚さと同時に、可愛らしい赤い果実と、爽やかで快活な柑橘。しばらくするととても細やかでつややかで可愛らしいハニーテイスト。静かで落ち着いた余韻から、次第にパワフルな飲み心地に。口は全く疲れないけれど、体内に蓄積されるのは確かな飲み心地。
コンプレックス、しかし、それらが広がったり散らかったりせずに、すーっとまっすぐ、きれいなミネラルと共に感じられる。このあたりはさすがにプレスティージュキュヴェ。華はないが、確かなシャンパーニュがそこにある、という印象。

「それでもまだ早い」の印象は、それだけのポテンシャルを感じるから。ここから圧倒的なパワーになるとは思わないけれど、もっとエレガントさを纏えるんじゃないかという贅沢な予測。
少し瓶内で寝かせた来年のリリースが実に楽しみ。

静かなスニークプレビューの後は、一転華やかなディナーへ。
表参道ブノワにて行われたディナーは、日本ではなかなか飲めないラインアップも登場。
ウェルカムは、POPをストロースタイルで。乾杯は定番ブリュット・ロイヤルで扉を開くと、中盤には、欧州の飲食店向けアイテムで日本未ディストリビュートのブリュット・アパナージュ、キュヴェ・ルイーズの現行ヴィンテージである99に続いてハイライトは、キュヴェ・ルイーズ・ロゼ2000.
これらのアイテムとブノワの料理が見事に弾んで、楽しい時間に。デセールには四季シリーズからスイートタイプのフォールタイムでフィナーレ。
ポメリ―の哲学と、そこから生まれる多様なアイテムを1本の線として感じられる素敵な夜だった。名門ポメリー再発見。