Lamb Love Live

ラムとワインの組み合わせ。僕としては、もう、こう書くだけで幸せになる組み合わせ。子羊とブルゴーニュ、これもいい。マトンのジンギスカン…これはハートランドビールか?で、ラムといえばニュージーランドワインが欲しくなる。ピノ・ノワールが本線だが、調理法によっちゃあソーヴィニヨン・ブランでもいける。ただし、そこはニュージーランドのワインがいい。理屈的にもあるんだろうけれど、こういっちゃあ身も蓋もないが、かなり、エモーショナルなところで、ラムとニュージーランドワインというのは僕の中で繋がっちゃっている。気持ちの良い体験、幸せな時間がそのっ組み合わせで積み重なっているんだろう。
という僕には恐ろしくベタハマりな店ができた。しかもご近所。
『ワカヌイ・ラム・キュイジーヌ ジューバン』
麻布十番駅南北線側の出口なら直結と言っていいぐらいの場所。入口はバーでその地下という、通りに面していながらもどこか隠れ家っぽいしつらえ。しかし、ラム好きとしては階段下りる前から、物理的にも気持ち的にも嗅覚で導かれる感じ(多少大げさw)。で、これですよ。

興奮で写真がぶれた。ラムチョップ3種の味付け。まずは、塩・胡椒だけのシンプルなラム・チョップ。これが1本380円。ミラノ風カツレツがモチーフのミラネーゼもおもしろい!ソーヴィニヨン・ブランもピノ・ノワールも、もちろんスパークリングでハッピーラムアワーもいい。ただし、やっぱりニュージーランド・ワインのクリーン&グリーンな感じが、実にクリーン&グリーンな自然な甘みのある脂のニュージーランドラムにはぴったりなんだなあ、としみじみと実感。そう、むしゃぶりついちゃったんだけど、口の中でラムとワインが溶け合った瞬間に、ちょっとぼーっとして、のちしみじみ幸せな余韻がはじまった。いつものブログの文体とちがって生っぽい感じなのは、まあ、なんていうんだろう…料理の味のレビューとかワインリストとかお店のちゃんとした情報は別のサイトとかで見てもらって(←いや、ちゃんとメモも取ってあるんだけど、なんか、こう、それも僕っぽくていいでしょ?)、とにかくこの感じで幸せな僕を理解してくださいwたっぷりさまざまなラム料理を堪能してニュージーランドワインをたっぷり飲んで(シラーもなかなか)、という王道的な楽しみの他、ラムチョップ6本、軽くスパークリングワインを煽って、次の店へ。そんなカジュアルな使い方もできるとのこと。次回はラムチョップ3種×4とか、生ガキか!っていう食べ方をやってみたい…と妄想するラム×NZワイン好きなのであった。
うーむ、ラグビーではオールブラックスはライバルチーム(豪州&イングランド&ウェールズ好き)なんだが、こればかりは…。


ワカヌイ・ラム・キュイジーヌ ジューバンさん

公式WEBサイトはこちら

INVIVO,"Progress" of New Zealand

10月9日 ニュージーランドの「ライジングスター」インヴィーヴォのティムさんを向かえての来日試飲会。2007年のスタートからわずか6年で、ワールドワイドの快進撃。アジア・パシフィックを中心に、セレブリティ、メディアから町のカジュアルなダイニングまでを星のエチケット(実際はコンパスらしい)で席巻中。

ビジネス面でも目を見張るわけだけれども、そのあたりは、ビジネス記者さんにおまかせするとして、こちらはワインの話。
(ティムさん「僕らのスタートは最悪だった。なにせ08年は最悪の年だっから…」に、へえ、NZでもそういうヴィンテージのセンシティヴなところかがあるんだあ、と思ったら、リーマンショックの話だったw)

ソーヴィニヨン・ブランはマールボロ、ピノ・ノワールはセントラルオタゴ。このあたりはギミックなしにいい場所を選択。欧州でも修行してきたワインメーカー、ティムさんの相棒、ロブさんのワインづくりは、味からの推測で言えば、やはりギミックなしにテロワールを生かして、幅広い人に受け入れられるイージートゥドリンクの方向性。ワールドワイドマーケットで先行するコンペのクラウディベイが、まさにニュージーランドの、クリーン&グリーンで、クリアなクラウドからあふれ出る濃厚な果実味、むせ返るような濃厚さがあるとすれば、こちらは、若さゆえの真っ直ぐさ、ピュアさ。対称な的な個性。

ソーヴィニヨン・ブラン・スパークリングは、高原の夏、秋がいい。のびやかさよりもフィネスとミネラル。余韻よりも口にふくんだときのクリアな酸味が心地よい。得意のソーヴィニヨン・ブランのラインアップは、きれいなハーブ感が優しくタイトに。酸は強いはずなのだけれど、飲みやすく仕上げている感あり。複雑さというよりは、生産者の狙いがそのまま素直に出ている感。濃厚な果実味やハーブ感というマルボロを期待すると少し違う方向性かも。

注目はピノ・グリ、そして、ロゼ。
どちらもクリーン&グリーンな表現はそのままに、心地よいスパイス感が食欲をそそる。中華、鶏のから揚げ、サラミ、時間をかけてローストしたラム、ビーフ。ティムさんおススメはブルーチーズ。試食するとなるほどの組み合わせ。パルミジャーノに赤身のコショウ、ドライトマトみたいな組み合わせもいけそう。

ぶどうに当たる日照時間をコントロールし、糖度とアルコール度数を下げることで作られるカロリーオフワインは、休日のブランチ向け、エッグベネディクトやサンドウィッチには最適。とはいえ、夜や普段飲みには、やはりものたりないが、ニュージーランドでは少しずつ浸透しているカテゴリーらしい。ありかも。

ティムさんの人柄もあいまって、ビジネスライクな快進撃というよりも、今の次代のモードにあったワインを(偶然なのか嗅覚なのかはわからないけれど)、作りだし、それがハマったというかんじなのだろうか。ワイン自体には、衝撃とか驚きとかはないのだけれど、ポジティブな意味で、このワイン自体がもつ快進撃の理由が分かったような気がする。

気軽なダイニングに、このラインアップがある、そういう店。なにか安心感がある気がする。