トルコ・アンタルヤ「ヘルス・ツーリズム展」

2013年11月13日~19日、トルコのリゾートエリアとして発展を続けるアンタルヤにて開催された『ヘルス・ツーリズム展』の取材。あわせて現地のスパ施設の視察という機会をいただいた。

日本ではまだ広くは知られていないが、トルコは地勢上、欧州エリアからのリゾート需要も高く、こうした経緯を生かして、現在、ヘルスツーリズムに力を入れているとのこと。ヘルス・ツーリズム展においては、メディカル、スポーツ、アウトドア・ウェルネスなど心身の健康、治療、娯楽面から総合的に、トルコにおけるヘルス・ツーリズムの可能性を見ることができた。僕の立場とすれば、ここに食、ワイン、そのほかのエンタテインメントを組み合わせて、トルコにおける「日本人としての幸せで楽しいトルコでのヘルスアクティヴィティはどうあるべきか」を形にすることがミッションなのだが、トルコ、そしてこのアンタルヤを中心とする地中海リゾート地域は、そのポテンシャルは十分で、とてもワクワクするテーマだと感じている。

初日のオープニングセレモニーでは、この分野に対するアンタルヤ地域の期待感が十分に伝わってくる熱気。VIPたちのスピーチが続き、国際的なカンファレンスであることを意識した話もかなりあった。
アンタルヤ空港は年間2200万人もの利用客がおり、イスタンブールに次ぐ国内2番目の大空港で、欧州からのダイレクトフライトも多い。人口91万人を超えるリゾートであり大都会、地中海エリアの玄関口としての機能も十分、近隣には政府肝いりの大型リゾート開発地域や、別荘とリゾートホテルが連なる巨大ゴルフリゾートを擁し(共に実際に現地を見たが、これからの経済成長と併せて楽しみな状況)という、この町のポテンシャルが実に高いものであることを感じた(近日、街の様子、食文化などについては当ブログにてレポート)。


今回の日本からの視察ツアーは、海外での市場開拓、企業進出、相互の国の交流などを担う企業の招携によって実現。スパ推進協会のトップや実際にサロンを営んでいる方から、広告代理店、女性誌メディア、トラベルガイドブックなどの編集者の方に、プランナーとして自分というとてもバラエティ豊かな多彩なメンバーが参加。それぞれの視点で、トルコのヘルス・ツーリズムを捉え、毎晩、毎朝食ごとに、その視点をすり合わせながら、様々な意見を交換するのも実に有意義で楽しい時間だった。メンバー全員が、トルコのヘルス・ツーリズムに可能性を感じ、いかに日本に伝え、広げていくかを話し合う毎日。それだけ、ポテンシャルも可能性も高いという実感があった。

アンタルヤ近郊のケメルという小さな町もヘルスツーリズムという点ではとても魅力的な場所のようだ。展示会の商談会セクションで、日本のメディアということで、このケメルにそびえるオリンポス山でロープウェイを中心とした開発・観光事業を行う企業にお話を聞いてみると、やはり心身両面に作用する素晴らしいツアーが組めそうに感じた。山頂からのスターウォッチング、サンライズ、トワイライト。ゆったりと山頂へのトレッキング、マウンテンバイク。地中海から一気に高峰へというロケーションで、マリンリゾートとマウンテンアトラクションの両方が楽しめる環境。

旅行パンフレット的にいえば、
イスタンブールとカッパドキア、ダイナミックトルコ8日間
イスタンブールフリー4日間
的なものが、エキゾチックと神秘の歴史と…という観光体験的なトルコのイメージだが、じっくりと自然と豊かな食文化と伝統的なスパ、美容文化の中で健やかにステイするという体験が、これからのトルコ旅行の楽しみのひとつになるのではないかと期待するし、そこから生まれる企業と企業の交流、商品の流通も楽しみだ。

展示会の中で目を引いた、スポーツリゾート。
地中海に面した巨大な緑の敷地にフルサイズのサッカー専用コート2面に陸上トラック付のピッチ1面、ハーフコート3面を備えた、リゾート型スポーツコンプレックス。素晴らしい施設に感動の声をつたえたところ
「大宮アルディージャなど日本のチームもキャンプを張ってるんですよ」
とニッコリ応える担当者。調べてみればトルコ航空とアルディージャは提携をしておりスポンサーマッチも行っているとのこと。意外な接点からひろがることもあるかもしれない。

(トルコ施設ツアーの話題は、このあと、スパ施設に見るツーリズムの可能性から、食文化、旧市街にみるノスタルジックで楽しいトルコの素顔など、様々な角度から書いていきます)