March of the birds of North

冬の北陸の旅といえば、やはり鉄道が良く似合う。車窓から日本海や立山連峰を眺めながら雪の中、駅にゆっくり滑り込み、ドアが開いた瞬間に冷たい風が心地よい緊張を与えてくれる。東京から福井、金沢なら米原経由、富山なら越後湯沢から特急で。その特急が冠した名前は素敵な北国の鳥たち。
しらさぎ、はくたか、雷鳥はサンダーバードに。

2014年2月の旅は、小松空港からバスで金沢、ではじまったが、2日目にはしらさぎで加賀温泉郷へ。3日目の朝は再び金沢へサンダーバード5号。飛行機で帰る予定が東京の何十年ぶりの積雪の影響で欠航。アクシデントではあったが気持ちを切り替えれば、鳥たちと仲良くなれるチャンス。金沢から越後湯沢へはくたかに乗り、越後湯沢からは新幹線、とき。

 

2015年北陸新幹線が開業すると、これらの区間は第三セクターの運営となり、鳥たちは巣立っていく。時間の短縮という利便性と快適性を得られる代わりに、子供のころから親しんだ北陸の鳥たちとはお別れという寂しさはあるけれど…新しい新幹線の公募名、その上位にははくたかが残っているらしい。できれば、どこからかもってきたような名前で新しいというイメージだけを求めるよりも、昔ながらの鳥たちの記憶をそこに残してほしいなとも思う。

もしかしたら最後になるかもしれない鳥たちとの行進。しみじみ楽しんできた。