Boys are link the food

若い世代のソーシャルアクションは、多少、青くて、熱くて、思いつきで、いいんじゃないかと思う。僕らの様な世代になれば、リスクを背負ったり、回避したり、利用したりするという最初の1歩があって、それはそれで大切なことなのだけれど、それは僕らがやればいいことなのであって、理想や思いをそのままぶつけるようなことがあってもいいんじゃないかとも思う。なんといっても体力があって恐れ知らずのうちにやっておいたほうがいい。もちろんそこにはいろいろな人の我慢と好意があってはじめて成立することを、あとからちゃんと知ればいい。わがままが許されるのは、そこに、何かが生まれそうな期待感があるから。最近は単なる面白イベントではなく、僕から見ても、うらやましい勢いだな、と感じる若い世代のソーシャルアクション×イベントが増えているようにも思う。

純粋に若気の至りではなく、すでに経験を積んで、しっかりプランニングして、いくつもの商業イベントも成功させて…という2人が組むのだから、冒頭で書いたものよりもしっかり筋道を立てたイベントではあるけれど、そのエッセンスはやはり、「よし、やっちゃおうおぜ」。
『サルベージパーティvol.5~テーマはちょい足し』&『フーディストリンク2周年』
設立2年目を迎えた、気鋭の若手フードプロデューサーでありケータリングシェフである、フーディストリンク代表・高田大雅くんと、数々のイベントや店舗での食のプロデュースを手がけるトータルフードプロデューサー平井巧さん。2人はいままでも手を組んでいろいろなフードイベントを成功させてきたが、このサルベージパーティは、二人の「よし、やっちゃおうぜ」がそのまま実現してしまったイベントだ、と思う。

要旨はシンプル。

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どこの家にもある、使い切れずにいる野菜や加工食品、調味料。このままだと廃棄されてしまう食材を持ち寄り、その「救い方」をみんなで探る。プロのシェフがあなたの目の前で、集まった食材によるメニューをその場で考案。完成した料理はみんなでシェアし、調理に使われなかった食材は希望者に持ち帰ってもらいます。

 

過去4回開催、参加者には食に興味のある方が多く集まり、高田シェフが目の前で調理するライブクッキングと、自分の持って来た食材がどんなメニューに使われるのかというワクワク感を楽しんでいただいています。あの食材にこんな使い方があったんだ!という驚きと発見は、とくに主婦の方に大好評!自分では思いもよらないシェフの技とアイデアを持ち帰り、家で試して2度美味しい。そんな体験ができるのがサルベージ・パーティです。

 

参加するには、家に眠る食材を持ち寄る必要があるので、冷蔵庫・キッチン整理にもなって自然とキッチンがスッキリ。余った食材を洗い出すことで、自分の買い物傾向について知るきっかけにもなります。
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というもの。

5回目となる今回、MCという立場で初めて参加させていただいたのだが、楽しい会であると同時に2人の「よし、やっちゃおうぜ」にそれを支えて、一緒に楽しもうという人たちの微笑みが広がるいい会だった。それは確実に彼らがその想いをしっかり伝えきってきたからなのだと思う。

ライヴクッキングの実況は実に楽しかった。写真のような食材を高田シェフが組み合わせて即興で作っていくわけだが、こちらもプレッシャーをかける。例えば、偶然にもあった食材が、パスタ、たらこクリームソースのレトルトソース、刻みのりがあったとする。それはラッキーなことかもしれないがもちろんこちらは実況でプレッシャーをかける。
「まさか、その組み合わせで料理しないよね?」
終始、笑顔に包まれた会場は、2人の食に対する考え方、それはもっと楽しく食を考えようよ!という世界そのままだったように思う。

正直にいうと、若い世代の「よし、やっちゃおうぜ」イベントのお手伝いは時に、後味の悪いこともある。想いはいいが、感謝も努力も配慮も足りない、自分たちの満足感だけに終わるものがあるからだ。それでもなお、「よし、やっちゃおうぜ」はあるべきだと思う。ソーシャルアクションに関して言えば思い込みだらけで間違った危ないものもあるかもしれないけれど、それでもなお(繰り返しになるけれど)、「よし、やっちゃおうぜ」はあっていいと思う。その中で、いろいろな人の幸せな協力が得られて、参加者が幸せを持って帰れて、そして自分たちの想いを着実に残していくことができる。彼ら2人のソーシャルアクションイベントは、実に、素敵な「よし、やっちゃおうぜ」のカタチがあった。今後も期待しています。

↑左:平井さん、真ん中:高田さん、右:日本で唯一の出張専門バーテンダーとして僕ともいくつかのイベントをてがけた、まちゃさん。2人ももちろんプロだが、まちゃさんのようなプロ、そして同志ともいえる仲間たちのボランティア、理想を実現するための会場など、いろいろな支えを獲得するのも必要なこと。感謝、配慮、情熱。それが2人の持ち味か。