antalya, hello again 2 @ANFAS turkish wine experience

アンタルヤでの食とお酒の展示会。2日目のハイライトは、トルコワインのブラインドテイスト会。トルコワイン愛好家の協会的なところが主催。10アイテムのトルコワインをブラインドでチェックしポイントを付けるというもの。英語でのガイドがあるかと思ったが、言ってみればオールトルコ語。テイスティングシートのトルコ語については、前回の滞在と今回もアテンドしてくれたエスラさんが英語を書き添えてくれたのでなんとか理解。多様なトルコワインの個性を知ることはできたが、むしろそうなるとわかるのが、まだ造り手も飲み手も成熟したものではないのだな、ということ。個性がいろいろあるというよりは、まだ試行錯誤、もしくは試行錯誤まで至っていない、方向性が定まらないというか…最良、最適な選択がまだ見つかっておらず、その先にある個性の多様化、という段階ではないような気がする。

 

実際、今回の主催者側の方の30分近くに及ぶスピーチの大半は、世界共通の専門用語をひろえば、ガストロノミーともっと一緒に考えたほうがいい、といったスタイルの啓蒙であったり、ひとつひとつのワインのブラインドでの解説でも、初歩の初歩、といったもので、ローカルの参加者はプロ揃いだったけれど、日本の一般的な(愛好家ではなくワインはちょっと飲むよというような)方と大半はあまりかわらない、という印象も受けた。もちろんイスタンブールであったりエーゲ海リゾートというところでは、国際水準のワイン理解は進んでいると思うのだが、まだピラミッドの底堅い部分が形成されていないようにも感じた。

だが、ある意味で言うとそれがいい。頭でっかちではなく、これから伸びていく可能性をもっているということだからだ。生産者も愛好家も、これからトルコは面白くなると感じさせるものだった。そのためにはもっと国際的な市場の評価にさらされるべきだろう。大丈夫。今回試飲した中に、世界のどこにもない個性、しかも心地よく歓迎すべきワインがいくつかあった。逆に解説者も言っていたように「サンテミリオングランクリュの様な」という驚きをもったワインもあった。まだテロワールと何を創るべきかの組み合わせが見つかっていないからこそのケミストリーや発見の余地もまだまだたくさんある。

市場の形成が先か、評価が先か、そのあたりはまだ見えないところだが、旧約聖書の時代のワインの本場が、今、目覚める時。と考えると、その黎明期に立ち会えたのはひとつの喜びともいえる。一大葡萄産地であり、豊かな食文化の国。ガストロノミーの王国になるという可能性…。間違いなくポテンシャルは高い。

日本人の参加者は、僕と同行のプロデューサーだけ、ということでやはり注目されてしまったようだ。